入社3年目で初めてAI/CV系トップ国際会議に採択されるためにしたこと
入社してAI系の研究に携わるようになって、3年目で某AI/CV系トップ国際会議(採択率25%程度)に初めて採択されました。
その際に意識したことは以下の通りです。 また、レビュー結果としてはBorderline x 1, Weak accept x 2, Weak reject x 1で、内容はざっくり以下の通りでした。 Strong points Weak points まず、松尾ぐみの英語論文の書き方やMicrosoftのHow to write a great research paper(日本語のまとめスライドはこちら)を大いに参考にした。 そのうえで私が実践したことを記載する。 自分の研究を整理するためにとても有用だと思う。
このときに、「なぜ」と「だから何」の接続が飛躍しないことを物凄く意識した。 研究やるんなら出来て当然なのかもしれないけど、結局飛躍のない論理展開が出来てるかが論文採択に一番効く気がした。
(レビューでもwell writtenと言われたし。←これは素直にうれしかった) 効率よく研究を進めるために、一番効果的だったと思う。
これとグラフの可視化をやるようにしてから研究が加速した。 実験をする前に を書き出した。
(「おいおい、今まではやってなかったのか」と言われそう。怖い。許して。) これをちゃんとやっておくと、無駄な実験が本当に減る。
論文に載せてない実験はほとんどなかった。 実験結果をちゃんとグラフなりに可視化するのを怠らなかった。
これは精神的にもすごくいい。
何と言ったって、後から見て「ああ、実験したわ~。ちゃんと前に進んでるわ~。」という気持ちに浸れる。
あと、作ったグラフは本当にそのまま論文に貼れるから、論文執筆も速くなる。 論文を書き始めるのはある程度早めからやったほうがいい。
3か月前から始めたけど、なんだかんだで提出期限ぎりぎりまで粘っていた。
提出2週間前から書き始めるなんて、よほど頭のいいひとかよほど短い論文じゃないと無理だと思う。(ちなみに今回出した論文は参考文献含めず8ページ) それから、だいたい論文を書いている途中で「こういう実験もほしいな」となったりもするので、追加実験をする前提でスケジュールを組んだほうがいい。 これは、私の先輩に猛者がいたのでラッキーだったように思う。
とくに序論や実験の書き方などすごく参考になった。 序論で心がけたこと:論理展開 実験で心がけたこと:仮説・疑問ベースで書く はじめは全体の論理展開をチェックする。
だんだん細かくして「どんなに小さな論理の飛躍も逃さない・・・」みたいな気持ちでチェックする。
最後のほうは、文法ミスや誤植がないかも入念にチェックする。 英語力は全然ないので、執筆にはDeepLだとかGrammarlyだとかをフル活用した。 ずっと推敲してると5回目くらいから辛くなってくる(飽き性)けど、辛抱強くやりつづけた。 これは自分の性格もあるけど、シンプルで見やすい図を心がけた。
特に提案手法のコンセプトを伝える図には力を入れた。 図は基本パワポで作ってPDF化した後に、pdfcropでトリミングした。
これは卒論や修論時代からの名残(図はベクタ画像のほうがいいぜ!ていうやつ)だけど、正直十分に高い解像度にしておけばpngとかでいいと思う。
pdfcropめんどくさいし。 内部レビューはレビューする側にとってもされる側にとっても有意義。
同僚に「わかりづらい」と言われたところはレビュワーにとっても「わかりづらい」はず。
こういうのを1つずつつぶしていくのが結局近道なんだと思う。 自分の英語力を信じていないし、DeepLやGrammarlyの英語力も完ぺきではないので、やっといたほうがいいとは思う。
ただ、添削した後も期限ぎりぎりまで修正しまくったので、その力はフルには活かせてないかも。 これだけやれば、「新規性に欠ける」ような内容でも採択されるんだと分かったのは大きな収穫でした。
次はちゃんと新規性も認められるような論文を書きたいです。
概要
採択されるためにしたこと
先行研究の何が問題で、自分の研究でどう解決するかをロジックツリーにする
各実験を行う前に「何を検証するか」「結果をどう可視化するか」を考える
実験結果は必ずグラフなどで可視化する
提出期限の3か月前から論文を書き始める
うまい論文の書き方をマネする
論文は10回以上推敲する
こだわりを持って図を作成する
共著者を含め同僚にも論文をレビューしてもらう
英文添削に依頼する
おわりに